イネムリブカ

底の方に沈んでる。

感想▷きまぐれロボット(星新一)

『きまぐれロボット』(星新一)を読んだよ。

この本は2年くらい前に購入していたものなんだけど、途中まで読んで積んでいたのを思い出して最初から読み直した。
当時の私は生活環境の変化による不安からメンタルがかなり落ち込んでいて、頻繁にパニック発作を起こしていた。それで、少しでも気分転換をしようと立ち寄った本屋で何となく手に取ったのがこの本だった。

星新一の作品は小中学校の頃に図書館で借りて読んだことがあって、ちょっとSFっぽかったり時々ブラックな作風が好きだった。
『きまぐれロボット』に収録されている作品は、強烈なオチのものは少なくて気楽に読むことができた。やや子ども向けと言われたらそうだけど、メンタルが不安定な時に読むのにはちょうど良かったのかも。

1番印象に残っているのは『あーん。あーん』という作品。
『きまぐれロボット』の収録作品はどれもオチに何かしら教訓めいたものが込められているように個人的には感じるのだけど、この『あーん。あーん』については少し毛色が違うというか、不穏な幕切れになっていて若干ホラー風味。
人間の欲望には際限がないとか、そんな感じの解釈でいいのかな?まあ、正解があるとは限らないけど。そういうことを考えたくなる性分なので…。